日本銀行法
第二条 日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。
なにか専門的な話が始まるのかな?
いやいや、ご安心ください。専門的なことはすっ飛ばして、結論を先に申しげます。
『ドル建て保険の終わりが見えて来てしまいました。』
では、日本銀行に話を戻しましょう。
ご存じの通り、日本銀行は2%の物価成長を目指して、2013年以来「異次元緩和」(俗称;黒田バズーカ)を続けています。(実は、一度も達成をしたことがありません。)
そして、その金融政策(市中にお金をたくさん供給する事)のおかげで、金利は下がり続け現在、日本10年国債利回りは、0.015%(2020/12/24)となっています。
かつて、保険料は自由に決められていましたが、バブル崩壊後に生命保険会社の破綻が続き、保険料決定の重要な指標「予定利率」は、1996年4月の保険業法により、金融庁が示す「標準利率」に基づいて計算することになったのです。
結果として、円建て保険の標準利率は現在0.25%となり、保険料が大幅に上がっています。
2020年から世界中に蔓延したコロナウィルスによって世界の経済活動は停滞し、それを支えるために世界中の中央銀行が資金供給を行っているため、US$をはじめとした外貨の金利も下がり続けています。
勘のいい方は、もうお気づきでしょう。
現在の主要なUS$建て保険の予定利率は2.0~3.0%、それに対して、米国10年国債の利回りは、0.931%(2020/12/24)です。
金融庁は、2022年4月から、いよいよUS$建ての保険にも「標準利率」を適用する検討を始めました。
生命保険各社の直近1年の新商品、介護、特定疾病、がん保険は、円よりも金利が高いUS$に集中していましたから、あと1年と数か月後に、予定道りUS$の「標準利率」が採用されると、ドル建て保険の保険料も大幅に上がることになります。
一昨年の税制改正に続いて、コロナウィルスによるダブルパンチで、今後の保険は、どうなっていくのでしょうか。
そして、昨今のもう一つのトレンドは、変額保険です。
これまでのように、契約時に保険期間中の保険金、解約返戻金が決まっていた定額保険に対して、運用を、世界の株式、債券、不動産などで行うのがその特徴で、結果として、保険金、解約返戻金が変動します。
各社の開発、販売が相次ぎ、販売額も多くなってきています。
今の、経済環境だからこその注目商品ですが、目的と選択、リスクとリターンの見極めも必要です。
コロナによって変わった、経済環境、ビジネススタイル、生活スタイルは、アフターコロナにも大きな影響を残しそうです。